- Dimensions / φ380mm H450mm/ H630mm
背割りをした丸太の溝を利用して丸太を地形、金属部分を建築と見立てて、デザインしている。
*背割りとは、未乾燥の針葉樹の心持ち材などにおいて、製材後の乾燥による材面割れ(背割れという)を防止・軽減させるために行う製材工法のこと。
柱や化粧材として使用される木材のみに行われる。土台などの構造材には行われない。
地形を読み解き、時に寄り添い、時に大胆に成り立つ建築は、それでも人が介在するにあたり、水平は必ず保たれる。
そんな建築のように、自然の丸太に対しテーブルの機能としての水平面を確保しつつも、一見不均衡にも見える独特なフォルムが生まれた。
自然な線に対し、人工的な線を機能として描くことで、建築的なバランスが見えてくる。
委ねることで得られるもの。 −作為と無作為の狭間で−
有機質と無機質、自然物と人工物、曲線と直線、アートとデザインなど、相反するように見え、こちら側と向こう側のように分け隔てられているもののほとんどは、人間が「構図」としてわかりやすく対立させただけもののように思う。
実生活におけるそれらは必ずしもそうではなく、表裏一体という言葉もあるように、実は密接で、寄り添いあう関係でもある。
単純な対立構造ではなく、組み合わせると一見感じる違和感という“フック”をうまく感知し、そこに親和性を見出すことができた時、新たな価値とデザインの可能性が生まれるのではないか。
作為と無作為の狭間でせめぎ合う思考とその先にあるまだ見ぬ姿。テーマでもある「行為の先にある現象」を踏まえ、「委ねる」ということを「行為」と捉え、その成り行きを寛容に受け入れることで、画一的なデザインとは一線を画す、表情豊かなプリミティブなデザインを試みている。
-DESIGNART2018 [Beyond the Simplicity Vol.3]より-