- Dimensions / φ350mm SH450mm/ 600mm
杉の間伐材を使ったスツール。木こりの職人がチェーンソーで切削していくため、図面という伝達手段は使わず、手描きのイメージ図をもとに、製作時に立ち会い、作業の進行をみながら、会話し、その時にしかできない形状を探し出した。数値や精度へ固執せず、デザイナーと職人がその場で「同期」することで成型されたスツール。
委ねることで得られるもの。 −作為と無作為の狭間で−
有機質と無機質、自然物と人工物、曲線と直線、アートとデザインなど、相反するように見え、こちら側と向こう側のように分け隔てられているもののほとんどは、人間が「構図」としてわかりやすく対立させただけもののように思う。
実生活におけるそれらは必ずしもそうではなく、表裏一体という言葉もあるように、実は密接で、寄り添いあう関係でもある。
単純な対立構造ではなく、組み合わせると一見感じる違和感という“フック”をうまく感知し、そこに親和性を見出すことができた時、新たな価値とデザインの可能性が生まれるのではないか。
作為と無作為の狭間でせめぎ合う思考とその先にあるまだ見ぬ姿。テーマでもある「行為の先にある現象」を踏まえ、「委ねる」ということを「行為」と捉え、その成り行きを寛容に受け入れることで、画一的なデザインとは一線を画す、表情豊かなプリミティブなデザインを試みている。
-DESIGNART2018 [Beyond the Simplicity Vol.3]より-
Manufacturer /
Yuuichi Komoda/ Moqu C0mo